ー*同じ黄斑前膜の手術をしたハルさんと共に【File1*術後1年3ヵ月】以前を振り返ります。初めての方は、先に ABOUT をご覧ください。*ー
前回の術後1週間の記事に肝心な見え方について全く書いていませんでしたね。膜が取れた分、視界はスッキリして見えやすくなったと思いますが、細かいことはよく覚えていません。この視界が言わばスタートで、これから網膜がしっかり戻るよう最大限に努力していく気に満ちて張り切っていましたから、常に今の視界は通過点という気持ちでした。
回想録がなかなか進まないのは、その頃の細かい記憶をもう忘れてしまっているからで、特に見え方については術後数か月は変わっていくので、記憶は途切れ途切れに曖昧になっています。ですので、ハルさんから頂いたメールを読んで何とか記憶を蘇らせようとしています。
まずは、以下ハルさんから頂いたメール術後3週間の様子です。⇩
手術してちょうど3週間になります。
1週目と特に変化はないですが、硝子体のにごりが減ったような気がします。
明るいところでしか見えなかったものですが、薄い灰色の粒上のものが雪にようにふわふわ降っていたんですがそれがほぼなくなりました。
それとは別で黒い大きめの浮遊物はまだあります。
視界の端っこのにょきと生えた草(枝)のようなもので、
意識しないと見えないですが、これが今の心配事です。
できれば消えてほしいです。
先週の土曜日に術後3回目の検診に行って参りました。
矯正視力は0.7ということでした。
私的には1.0ぐらい見えているような気がしたのですが。
OCTを術後初めて撮ってもらいました。
盛り上がったところは、平になりつつあるようですが、
厚みはまだまだありますし黄斑部分の凹みはありません。
画像添付しましたので、よろしければ見てやってください。
手術直前のものも添付します。かなり悪化しているのがみてとれると思います。
手術直前のOCTは、最初に診てもらった眼科で撮ってもらったものです。
手術してもらった眼科では、このようなマップ形式の3Dや体積か高さの数値がわかるものはなく白黒の断面の画像のみです。
OCTにもいろいろ種類があるようですね。できれば今後も3Dや数値で経過を知っておきたいのですが、以前の眼科に戻ることはないので、仕方ないですね。
現状、術前からある大視症と歪みはまだありますが、幾分軽減されたように思います。
なにより、膜が取れたこと、進行を抑えられたことを喜ぶべきことです。
視界の中央付近にあった霧が晴れてクリアに見えることが、うれしいです。
どこまで回復するか分かりませんが、生活習慣を整え、サプリなども取り入れ、焦らず回復に努めたいと思います。
あと、眼内レンズ(近距離)を入れたので、調整ができない分、メガネを何本も作らないといけないなと思います。
手元は裸眼で、パソコン用、普段用、運転用と最低でも3種類は必要な気がします。
先日の受診の際、メガネを作るのはまだ早いとのことなので今はとても不便です。
長年コンタクトでしたが、この機会に普段はメガネで、特別な時だけコンタクトにする予定です。
ハルさんは、病院のやり方でガスを入れられたのでそれによる術後の症状がまだ心配なようですが、膜が取れたことでもう症状が進行することはないこと、視界が晴れてクリアになったことをとても喜んでいらっしゃいます。
症状が進行している時の不安と手術に対する恐怖から解放された喜びは、それを体験した私には痛いほど分かります!ハルさんと手と手を取り合って歓びたいくらいです!!
こちらにはハルさんのOCT画像は載せられないのですが、とてもキレイにフラットになっていました。私の術後3週間の画像と比べると、ハルさんの方が黄斑部の高さが薄くなっていました。(アプリコットさんも術前は私よりも盛り上がっていたのに、術後は私よりも厚みは減っていました。)
私のOCT画像をご覧ください。⇩
手術翌日⇒ 手術後3週間:正常な左眼
手術翌日の検査では中心を見ることが出来ていないので正確な比較にはなりませんし、写真では分かりにくいのですが、数値は全体的にすごく下がっています。
しかし、網膜の黄斑部は元々の形が凹んでいますから、フラットでは大きく見えてしまうようで、程度の差はあれど歪みも伴います。近距離が大きく見えるのは、老眼で近くが見えにくくなってきた私には便利に働きますから、黄斑前膜の後遺症が『小さく見える』でなくて良かった!と思うのですが、黄斑前膜を患う人は近視の人が多いようなので近視の人にはその実感はあまりないかもしれません。ハルさんも近視です。これを機会にメガネをいくつも作らなくては!とおっしゃっています。
メガネがなくても済むかも?という願望も込めてモノビジョンにした私も、パソコン用と極近距離用の2本は作ることになりました。以前は、メガネを何本も使い分けるなんて大変そう…と思っていましたが、今は、かけた方がぐっと見やすくなるので、メガネがあった方がいい!と思うようになりました。メガネに関しては、黄斑前膜ではない人も年齢を経ると用途に応じていくつも作る人もいますが、黄斑前膜の人は術後の視界に合ったメガネが作れるかどうかがこれまた大変なのです。
そして、視界が少し安定してきてメガネを作れるようになるまでの間も生活していますから、それまでも日々大変だと思います。私の場合は、正常な左眼は遠くが見えますので日常生活で困ることはなかったです。右眼の矯正視力も術後3週間検診で1.2まで上がっていて、術前は老眼鏡なしでは字が読めなかったのに、老眼鏡なしでも字が読めるようになりました。(これは後々白内障が始まり、また白内障が進行すると変わってくるのですが。)
術後3週間頃に一番よく覚えているのは、あの頃参加していた読み聞かせの集いで、見え方が安定しない中で頑張って字を読んだり絵を見たりしているうちに頭痛がしてきて気持ち悪くなってしまったことです。術後早いうちほど網膜の戻り方も大きいので視界は不安定なのに、その時に一生懸命見ようとしたことが脳にも負担になったのでしょう。
この頃は時々頭痛や肩こりがありました。
明るくないと字は読めないのに、明る過ぎると遠距離や視界全体の見え方に違和感が生じたり、見る物の大きさや距離で見え方が変わるという何とも複雑な視界に脳は随分と混乱していたと思いますが、気持ちだけは前向きに張り切っていました。
ちょうど新聞で「レジリエンスを鍛える」という外科医のコラムを読んだのです。
この先生の経験上、希望を持っている人は回復力が強い、とありました。
レジリエンスとは逆境に対する身体や心の回復力だそうで、私は俄然勇気が湧いてきました!…その後、レジリエンスは鍛えて、というより鍛えられて強くなることを実感するのですけどね。。。
ー*執刀主治医:鄭(てい)先生*-
(注:鄭先生には、ブログ掲載の承諾を得ています)