羊雲

羊 雲

✥ 復路の羊のふんわりノート ✥

File37*メール相談を受けて…改めて考えた!手術のタイミング*

*右眼・黄斑前(上)膜の手術後、1年9カ月(51才)で白内障手術をしたモノビジョン私(黄斑前膜の術後*3年6カ月)が考える、術前のハルさんの場合*-

 f:id:white-ivy:20200225152424p:plain 先月、見知らぬ方から黄斑前膜についてメール相談を受けました。

そんなことは初めてで大変驚いたのですが、実は私も知らなかったルートからでした。そして、頂いたメールで初めて、同士だったアプリコットさんのブログが、昨年の12月15日のyahoo!ブログサービスの終了により消えて無くなってしまったことを知ったのです。

 yahoo!ブログサービスの終了はそれこそ、yahoo!ニュースで見た記憶はあるのですが、アプリコットさんのブログが消える!というところにまでその時は頭が回りませんでした。今、普通に考えれば、そりゃそうよね!と思うのですが、あの頃は週6勤務真っ只中でしたから、何の余裕もなかった。それに気付いていれば、少しは回想録としてバックアップを取れたかもしれないのに。。。

アプリコットさんのブログは、更新は終了されていましたが黄斑前膜の情報としてそのまま残して下さっていたのです。私とはまた違うパターンの黄斑前膜の術前・術後の経過がOCT画像と共に詳しく載っていて、私も私自身の術後すぐからこのブログを上げる術後1年3カ月までを共に励まし合いながら報告させて頂いていた貴重な記録であり、大切な思い出でもあったので…本当に残念です。。。

全く、なんてことでしょう!

でも、無くなったことを知ったからには、回想録を起こさねばなりませんね。追々。

アプリコットさんのブログアドレスを過去記事にいくつか載せていたので、その修正と共に

 f:id:white-ivy:20200225152424p:plain 黄斑前(上)膜・白内障

f:id:white-ivy:20200225142710p:plain フリー

とに色分けをしてちょっこし見やすくメンテしてみました ♪ 

上部メニューバーの【黄斑前(上)膜・白内障】から記事一覧に入れないのがどうやっても直せないので、せめてもと思いせっせと工夫しました。)⇒その後、直せました!

さて、本題のメール相談です。

私はドクターではありませんから、同じ病気で手術をした患者としての経験から伝えられることを答えました。むしろ、この病気の見え方の妙は、それを経験した患者にしか分からないですから、ドクターとは違う観点から力になれることがあると思うのです。何より、不安になっていらっしゃる気持ちは痛いほどよく分かります。

ご本人には、お名前を明かさずにブログに上げさせて頂く許可は頂きました。

以下、(仮名)ハルさんからのメール相談の一部抜粋です ⇩

(年明け、新春に訪れて頂いたので、春=ハルさんと致しました)

私の黄斑前膜は今年に入ってから視界の歪みに気付き、慌てて受診したところ診断されました。OCT画像では、黄斑部の凹みはなかったです。

 

両目で見ると特に不自由はないですが、片目で見ると、視界の全体(特に右上部)が波打っています。

気にすると日に日に悪くなっているような気がして不安が大きく手術を検討しているところです。

 

近視でコンタクト使用の上、老眼もかなり進んで近くのものは老眼鏡をかけております。

 

仕事は事務で主にパソコンや書類作成などです。

50代後半なので、手術するのであれば白内障手術もすることになるかと思います。

 

手術しても、完全には歪みは取れないとは承知しておりますが、

術後、今以上に歪みがひどくなったり不自由になったらと怖くなりました。 他の方のブログで手術を後悔したとか、術前よりひどくなったとかの書き込みを数件、目にしたこともあり)

ハルさんから頂いたメールを読んで、今までの記憶を振り返り、おおいに考えさせられました。そして、私自身が4年前、他院で黄斑前膜の診断は受けていたものの手術など怖くて怖くて…不安ばかりがどんどん増していったあの頃を思い出しました。

ハルさんは、「日に日に悪くなっているような気がして不安が大きく手術を検討している」けれど「術後、今以上に歪みがひどくなったり不自由になったらと怖くなりました。」と手術を迷っています。

術後1年半頃、手術のタイミングについての考えを述べました。⇩

hitsujigumo.hatenablog.jp

 私自身がぐずぐずしていて(といっても数か月ですが)診断を受けた時にすぐに手術をすれば、もっと回復が良かったのでは?との思いがあの頃は強かったこと、アプリコットさんもまた4年も放置せずもっと早く手術していればもっと回復が良かったかもしれないとおっしゃっていたからです。

 

でも、今は、早く手術をする方が見え方良くなる!という単純なことではないと思うようになりました。

 

同じ黄斑前膜の診断を受けている我が友のヨナや同士だったアプリコットさん、そして自身のその後の経験から、そう思うようになったのです。

ヨナのことはFile3~7に載せています。

hitsujigumo.hatenablog.jp

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 ヨナは、あれから2年経過した今も見え方が変ではないので経過観察を続けています。ヨナのOCTを見ると、黄斑部は角ばっているもののしっかり凹んでいます。ヨナは、社会人になりパソコンを使うようになってから視力が落ちましたが、メガネはかけておらず、運転免許がメガネなしでぎりぎり更新できている程度。それまではとても視力が良かったのです。

そして、60代後半・近視でメガネをかけていたアプリコットさんは、黄斑前膜と一緒に白内障の手術をしました。術後すぐは急激な視界の変化に混乱が大きかったものの、その後は見え方に慣れていきすっかり安定されていました。しかし、黄斑前膜の手術から1年後?くらいにもう片方の白内障の手術をし、両目ともハッキリ見えるようになったことで、両目の視界が主張するようになり、特に横書きの文字が二重に見えて読み辛くなったと再び困ってしまいました。アプリコットさんのOCTは数値自体は私よりもぐっと低く、フラットな形でしたが、確かにどちらか片方に下がったような形をしていました。縦書きの文を読むのは平気だけれど、横書きの文は片方に下がって見えるので読みずらいとおっしゃっていました。また、舞台を見に行った時に、役者さんの頭ばかりが大きく見えてバランスが変でがっかりした、とも。それでも、しばらくすると見方のコツが分かるようになってきた!と乗り越えていかれました。

(そのコツとは、サラッと見る!アプリコットさんはおっしゃっていました。それ、私もよく分かります。私も二重に見えるものがありますが、じっと見ていると、じわっと二重になるのです。TVなどの動くものは二重になりにくい。つまり、脳の画像処理が追いつくか、追いつかないか、のようなのです。よって、複雑なものは二重に見えないけど、単純なものは二重に見える。しかし、変形している黄斑部は視界のごく中心部分なので、視界全体がごちゃごちゃと二重になるわけではない。そして、それは周りの明るさや見る物の距離と大きさによって変わります。明るい方がよく見えるので、視界の妙も顕著になりますから、室内よりも外の方が視界の妙がハッキリします。見る物の大きさが視界の中心部分にちょうど入って融像(=左目で見た物と右目で見た物が一つの像として見えること)ができれば、大きく見えます。アプリコットさんが舞台の役者さんの頭が大きくみえたように。融像出来なければ、二重に見えます。)

このように、術後の見え方は、術前よりも条件によって変わってきます。

私自身もその後白内障の手術をしたり、モノビジョンになったりと見え方が変わっていくにつれ、両目で見るという視界の複雑さを身を持って知ったのです。

そう、大事なのは両目で見た時の視界なのです!

ハルさんは、今「両目で見ると特に不自由はない」とおっしゃっています

黄斑前膜の診断を受けて、黄斑前膜の方の目で見たときに歪みがあったとしても、両目で見た時の視界がほぼ正常ならば、脳内で左右の視界のバランスが取れているということ。ならば、その視界を保った方がよいと思うのです。

ヨナのように、症状がなかなか進行しない人もいるのですから、今両目で見えている視界を大事にしてほしいと思います。

勿論、定期検診でOCTの数値や形の変化に気を付けながら、両目で見た時の視界が奇妙になってきたら、手術を考える。

 

私は今、網膜の凹みがわずかにできているにも関わらず、黄斑部の凹みはなかったと言っているハルさんよりも、両目で見た時に二重に見えるものがあったり、縦長に大きく見えたりしているということは、ハルさんも手術をして膜を取る視界が鮮明になり、網膜がしっかりと戻らない限り私やアプリコットさんと同じような症状が出る、ということだと思います。

他の方のブログで手術を後悔したとか、術前よりひどくなった」というのは、膜を取ると網膜はある程度戻って行くけれど…

膜が無くなくなった分、視界が鮮明になる。

同時に白内障手術をすれば、より鮮明に見えるようになる

今まで膜があることによって、且つ水晶体の経年劣化による濁りによって、見えにくかったものが見えるようになる。

から

「以前よりひどくなった」…「手術を後悔した」となるのだと思います。

つまり、術前から、『歪み』や『大きく見える』などの状態まで 網膜は盛り上がっていたのに、張り付いている膜や水晶体の濁りによって見えにくかった、のが鮮明に見えるようになった、からなのです。

張り付いている硝子体の膜が、硝子体の縮みと共に網膜を引っ張り、盛り上げているのです。膜を取れば、引っ張っているものが無くなりますから、網膜は戻っていくのです。その理屈からも、OCT画像からも、以前よりも網膜が盛り上がる、ということはありませんから。

私も、術後1年近くは気持ちのアップダウンが激しかったですし、見え方というのは起きている間中ずっと視界が目に入ってくるのですから、気が変になりそうになるのもよく分かります。1人で部屋にいて、その視界の妙に突然涙が止まらなくなったこともありました。

でも、それもきっと、日にち薬とともに、自分なりの見方のコツが分かってきて、変わってしまった自分の視界と折り合いをつけられるようになる時がくると信じて、頑張ってほしいです。

 

どの病院のHPにも『黄斑前膜は即手術というわけではなく、見え方に不便が出てきたら手術を考えましょう』と書いてあるのが、ようやく分かりました。

今までは、なんでこんな呑気なこと言うんだろう?手術のリスクがあるから?と思っていましたが、両目で変ではなく見えているなら、それができるだけ長い方がいいということ。

 

 私の場合は、視界に不便を感じるようになって、これ以上見えないのは困る!というとこまできて手術をしたので、術前は見えなかったものがすぐに見えるようになり手術して良かった!となりました。但し、今まで見えにくかった歪みや大きく見える・二重に見えるなども一緒に出てきました。それでも、私もアプリコットさんも手術をして良かったと思っています。

もっと早く手術していれば、もっと回復が良かったのでは?と何度も思いましたが、初めて異変を感じ黄斑前膜の診断を受けた時には既に凹みは無かったですから、あまり変わらなかったかもしれません。むしろ、異変を感じしばらくは視界の妙もさほどなかったので、そこで慌てて手術をしていたら、術前よりも見え方が悪くなった!となったかもしれません。

こればかりは、そうしてみないと分かりませんから。

 

手術をして膜を取り、白内障手術まですれば、必ず視界は変わります。

そもそもが、完全に元通りにできる手術ではないのだから。

でも、網膜の戻りは、自分自身の力!

2~3年もの時間をかけて戻っていく可能性があります。

自分を信じて、頑張ってほしいです☆彡

 

横浜相鉄ビル眼科医院 (横浜駅西口、神奈川県横浜市西区)

ー*執刀主治医:鄭(てい)先生*-

(注:鄭先生には、ブログ掲載の承諾を得ています)