羊雲

復路の羊のふんわりノート

弟のついでの話…続きの続き

 さて、一人東京の(情報系の)専門学校へ進学した年子の我がは(足の踏み場もないほど部屋は散らかっていましたが)2年間勉強は真面目に頑張ったようで、晴れてー学校からの推薦でー準大手(と、 今検索したら Wiki に書いてあった!)某商社システム部に就職しました。

 就職が決まる前、推薦者を決める学校側か?推薦者を受ける商社側か?は分からないのですが、実家の近所の、私達が子供の頃からよくアイスクリームを買いに行ったり、お使いに行ったりした小さな個人商店や、小さい頃からよく散髪に行った床屋さんのところに、弟のことを聞きに来た人がいたようなのです!勿論、こっそり来たのでしょうが、商店のおばちゃんや床屋のおじちゃんがうちの両親に教えてくれたから分かった訳で、それを聞いた私は、これまたへ~!と、東京からはるばる弟の事を調べに来たりするんだー!そんなことって、本当にあるんだー!!と驚きました。弟は、いわゆるヤンチャと言われるようなことは一切なかったですし(ま、反対に生徒会長をしたり部活で部長をしたりという華やかなリーダー履歴もなかったのですが)当たり前に挨拶をする普通の子でした。(子供なのに気が回る私と違って)子供らしかった分、むしろ商店のおばちゃんにも床屋のおじちゃんにもとてもかわいがられていたと思います。

それは、入社した先の上司からも「箱入り息子」と言われるほどだったようでしたが、当時世の中的にもぐんぐん上り坂のシステムの仕事は多忙を極まり、連日終電の日々!だったはずが…、ある日突然に会社が倒産してしまったのです。

1998年のこと、弟は29才でした。正確には、あと3か月で30才。入社10年目でした。歴史ある会社だったことを誇りに思っていて愛着が強かっただけに、とてもショックを受けていました。それとなく以前より経営不振の噂はあり、株価はどんどん下がっていくので、社内でもいよいよ危ないんじゃないか?と社員同士で心配し合うものの、弟のシステム部の業務は変わらなかったので、いつも通り出社しようとしたら、自分の会社が倒産した!というTVのニュースが流れて知ったのだそうです。「社員なのに、世間の人と同じタイミングで知るんだよ!」と弟は悔しさや虚しさとともに怒り、悲しんでいました。

私も、通勤電車の中でおじさんが広げていた新聞の一面にあった「○○商事、倒産!」が目に飛び込んできて、知りました。

これは、弟の人生の2度目の転機です。

弟は会社の野球部に入っていて、あるとき阪神にいたバースと一緒に試合をする(?詳細は忘れましたが)とかいうTVの企画に当選したようで、チームで出ていて、盛り上がりとても楽しそうにしていたことなどを思い出しながらも…姉として、励ましました。

きっと、この転機はこの先の更なる良き未来に繋がっている気がする!というようなことを言ったと思います。…随分、曖昧な励ましのようですが、私はこのことに驚きましたし、残念には思いましたが、何というか、弟がかわいそうとか、そういう全くのマイナスには思えなかったのです。

確かに、真面目に頑張っていた弟には突然の試練で、運が悪いとも言えるのですが、弟はまだ独身でしたから養う家族がいるのに困るという訳でもなかったし、まだまだ若かった。次の仕事に移るという人生のネクストステージに進むんだなあ…と私には(姉ながら)他人事のようですが、不思議と楽しみにさえ思えてきたのです。

それはきっと、かつて誰にも内緒で1人で門司まで自転車で行ってきたことや、父の反対を押し切って進学校から専門学校へ行き、成績優秀者として推薦を受け就職するほどそこで真面目に頑張ったこと(…でもその推薦先が倒産!なのですが…)そんなことが、私に「ええ君なら大丈夫!」と思わせたのです。

それに、推薦で就職したということは、全くの自力で就職活動をして得た結果ではありませんから、ここらで一度くらい一から(再)就職活動をするのも良い経験になるのでは?と、まだこの先の人生は長いんだから、これを機会に更にたくましくなってもらいましょう!という姉心もありました。

あ!唯一、退寮の期限が来たタイミングで買ったばかりだった(後に事件現場‼となった)マンションローンはたっぷり残っていましたが…。

 そして、弟は自分の会社の倒産後に経営破綻した某銀行には税金が注ぎ込まれ救済されることに悔しい思いをしながらも、物流系の会社に転職しました。

そしてその後も、姉の私を心配させることはいくつもありました。

ある日の飲み会の帰りに電車で寝てしまった弟は、寝ている間にカバンごと擦られ、鍵もないので家に入れず(何かの時のためにと渡されていた)マンションの合鍵を取りに私のところに来たり、、、(あろうことか2回も!あったのです‼)

ちょうどエイズが世間を騒がせていた頃、弟の微熱が何カ月も続くのでエイズを疑い検査までしたけれど、エイズではなく、じゃあ一体何の病なのかと心配していたら、ウソのような話ですが、その頃付き合っていた「あ…そこを兵隊さんが行進してる…」というようなことを度々口にする他の人には見えないものが見えるらしい彼女と別れた(正確にはフラれたらしい)その途端、平熱に戻った!とか、、、

今ほど熱中症の知識が広まっておらず、スマホもまだなかったので即検索 ♪ ということも出来ない頃、弟が会社のサッカー部の試合中に熱中症で倒れ、身体は全く動かず目も開かないんだけど、周りの人が心配して大騒ぎしている声だけは聞こえて「救急車呼んだ方がいいんじゃない?」とか「水を飲ませた方がいいんじゃないか?」とか「ここを冷やした方がいいんじゃない?」とかみんながあれこれ言うのを「それ、ほんとに正しいの~?大丈夫なのか~?」と滅茶苦茶不安になりながらも動けず、結局救急車で運ばれ事なきを得たようですが、その日東京は「都内で熱中症により救急車で運ばれた人が〇〇人!」とトップニュースになるほどの突然の猛暑日、その〇〇人のうちの1人が弟だったのか…とか、、、(死者も出てましたから…、そっちに入らなくて本当ーに良かった!)

そして、極めつけは、以前に書いた弟のマンションで起きた、本当にあった怖~い話!なのです。

私が知っていることをちょっと思い返しただけでも、結構、命の危険に関わるような出来事もいくつもあり改めて驚くのですが、弟が独身の間は、姉としてやはりとても心配でした。

まあ、そんなこんなで少々時間がかかったけれど、その後弟は8つも年下のお嫁さんと結婚し(これまた時間がかかったけれど)この夏ようやく2才になったかわいい娘と、今は平穏な日々を送っています。

後は、もう任せたよ!あゆこさん(お嫁さんの名前)。。。

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